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ビジネスメールの書き方の基本。円滑な仕事をするために必要となるポイントとは

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ビジネスメールは、社会人が仕事をする上でなくてはならないコミュニケーション手段のひとつです。1日の中で、何通ものeメールを受信、送信します。皆さんも仕事中に、しばらくメールの受信フォルダをチェックしてない時間があると、何十通もメールが溜まっていたなんてことがあるかと思います。昨今はビジネスチャットを使用する機会も増えていると思いますが、営業や取引先との会議などの調整や細かい確認など、社外とのやりとりにはまだメールを活用しているところが多いようです。

社会人である以上、マナーを守ったビジネスメールの書き方は知っているべきでしょう。自分が普段当たり前に使っているビジネスメールが、実はマナー違反だったみたいなことにならないよう、この記事でしっかりと基本の書き方を押さえ、毎日のコミュニケーションに応用できるようにしましょう。

まずはメールの長所と短所を理解すること

ビジネスメールの具体的な書き方を学習する前に、まずeメールを使うことの長所と短所には何があるのかを理解することが大切です。メリットとデメリットを知っておくことで、メールを活用するシーンや書き方のポイントも理解が早くなり、適したときに適した使い方ができる応用力も見に付くでしょう。

まずメールの長所には以下があります。

メールアドレスさえ知っていれば、誰とでも迅速なやり取りができる

ほとんどの会社が自社ドメインのメールアドレスを社員に貸与しており、社会人であれば基本的にひとつはメールアドレスを持っていることが今日では当たり前です。社名や役職、住所などと共に名刺にも記載されているかと思います。
メールアドレスさえわかれば相手がだれであってもメールを送ることが可能です。メールを確認・送受信するためのソフトウェア(メーラー)も様々なものがありますが、多くはパソコンに初めからインストールされているものを使用していると思われますが、利用しているメーラーが異なってもやり取りができるのは便利な点と言えます。
また、電話と違い本人がいなくても必要なことを伝えることができ、自分が忘れる前に「送ってしまおう」と能動的に動くこともできます。

画像や文書などのファイルも簡単に送信できる

メールには画像や文書などのファイルも添付することができ、郵送費や備品費などのコスト削減につながるだけでなく、封筒に入れたり切手を用意したり、郵便局に行ったりという、自分の工数を削減することもできます。

同時に複数人に対して送信できる

複数人を宛先に指定すれば、一度の送信で何人でもメッセージを届けることができます。CCやBCCを使えば、関係者に同時に共有することも可能です。

データなので情報の保存、検索が可能で、いつでも閲覧できる

受信したメールはいつでも任意のタイミングで閲覧でき、転送すれば回覧も容易です。メールのテキストや添付されたファイルは情報としてパソコンに保存されるので、口頭で打ち合わせた内容のログを残すためにメールで改めて送ったり、リマインドに活用することができます。

長所がとても多く、ビジネスシーンで毎日のようにあらゆる用途で活用されているメールですが、その手軽さ故の短所も存在します。

コミュニケーションの手段として不十分な場合がある

基本的に送る情報は文字になりますので、声の抑揚や表情、ボディランゲージといったもので伝えられるようなニュアンスは伝わらなかったり、誤解を生むこともあります。あらゆるコミュニケーションをメールだけで完結させてしまうのは、不十分であると言えます。

またクレーム対応や始末書の送付など、相手の気持ち次第ではメールは失礼/手抜きと思われる場合もあるため、便利だから、相手の顔を見たり声を聞かなくてよいからと言ってメールだけで何でも済ませてしまうのは危険です。

なんとなくではあっても「一方的なコミュニケーション」になってしまうと感じたことが、一度はあるのではないでしょうか?

情報が残る

先に挙げたように、情報が保存されることはメリットでもありますが、同時に一度送信したメールは取り消すことができないというデメリットになることもあります。特にビジネスメールでは、送信時に注意が必要です。
急いでいたり、勢いで書いてそのまま送信するのは大変危険です。誤字脱字や文法の間違いが無いかといった基本も含め、「本当にこのメールを出しても良いのか」は、送信前に一度振り返るようにしましょう。

相手が読んだかどうかが分からない

一部メールに開封通知などの機能はありますが、実際に読んでいるかどうかはわかりません。大切な情報は、メールをきちんと読んだかの確認を電話でするなど、投げっぱなしにせず、気を配るのもビジネス上のマナーと言えます。「見た」、「見ていない」などのトラブルを生む可能性があることを忘れないようにしましょう。

契約に関わるような正式文書としては使えない

ビジネスシーンにおける正式文書は書面でのやり取りが一般的で、メールだけで完結できることはありません。契約や金額に関わるやり取りをメールでするのはあくまでも「確認作業」です。

情報漏えいのリスクがある

メールでやり取りをしている端末のセキュリティに不備があれば、外部からメールの情報を抜き取れられてしまうこともあります。また、宛先を別の人に送信してしまうなど、誤送信による情報漏えいも要注意です。
昨今では貸与するデバイスやセキュリティーツール、ネット環境などを細かくルール化している企業がほとんどですし、添付ファイルにはパスワードを設定することができます。しかし、自分自身で注意するしかないケアレスミスに関しては、「書いてすぐに出す」のではなく、自分なりのチェック項目をもって確認し予防するようにしましょう。

以上のように、メールは手軽で便利である反面、気を付けなければならない点も多くあります。これらの短所をきちんと理解していないと、マナー違反や予期せぬトラブルを生む危険性があるのです。

ビジネスメールの基本事項

ビジネスメールを扱うイメージ

長所と短所が理解できたところで、実際にビジネスメールを書く際に押さえておくべき基本事項をご紹介します。

TO、CC、BCCを使い分ける

メールの宛先には「TO」、「CC」、「BCC」の3種類があります。目的によって使い分け、混同しないようにしましょう。

TO

メールの直接的な送り先です。

CC

CCは複写の意味を持つ、カーボンコピー(Carbon Copy)の略で、本来の送信先ではないが、関係者として、参考までに情報を通知、共有する場合などに使います。TOに指定した相手もCCに誰が入っているのか確認することができますし、CC側も同じようにTOが確認できます。

お客さまや取引先に、CCを使って送信する場合には、メール本文にも「CC:○○様」というように、CCの宛名を書くようにしましょう。文中にも宛名を書くことでTOの受信者が返信する際に、CCへの共有漏れを防ぐことができます。
一方、CCだと「ただの共有」と捉え、見逃したり確認をしない人も多くいると思います。「誰に伝えたいのか」を明確にし、TOと使い分ける必要があります。
また、送りたい相手のメールに返信したときに、CCに誰が入っているかをきちんと確認することも重要です。「返信」で送ることは楽で確実な方法ですが、本当にCCに入っている人皆に必要な情報かは確認しましょう。

BCC

ブラインドカーボンコピー(Blind Carbon Copy)の略で、用途はCCと似ています。大きな違いは、BCCに指定したアドレスは、TOやCCに指定した相手からは確認することができないという点です。つまり受信者側は誰に送信しているかわかりません。受信者相互にアドレスの情報や、メールの送付を知らせたくない場合はBCCを使うようにしましょう。

署名を設定する

ビジネスメールでは「署名」と呼ばれる、送信者の会社名や氏名、連絡先などの情報をメールの最下部に記載するのが一般的で、メール上の名刺のような役割をします。多くのメーラーでは、メールの署名情報を予め設定し、メール作成時に自動的に文中に設置することができるので、必ず設定しておきましょう。

また署名の行数は無駄に取りすぎないようにしましょう。一般的には4~5行、長くても8行程度までが目安です。最近はスマートフォンでメールチェックする人も多くいますので、装飾に凝りすぎて狭い範囲で改行をしてしまい、無用なスペースを取ってしまうなど読みづらいメールにならないようにも気を付けましょう。

ビジネスメールを書く際のポイント

件名は簡潔に分かりやすく書く

ビジネスメールにおいて、本文の内容と同じくらい大切なのがメールに付与する件名です。件名はそのメールの内容を端的に表すもので、メールを開く前にまず目に入る情報になります。社会人は1日に多くのメールを受信します。中には広告やメールマガジン、スパムメールなど業務のやり取り以外のメールも少なくないでしょう。そしてどんなに大量のメールを受信しているからといって、1日中メールチェックをするわけにもいきません。

そういった状況の中で、メールを開かずとも確認できる件名は重要な意味を持ち、件名を見て、開く開かないかを判断するケースも多いです。

ただいくら件名が重要だからと言って、だらだらと書くことはNGです。受信者のメーラーの設定によって多少異なりますが、件名が長すぎると受信リスト上で末尾が切れて表示されてしまいます。肝心な内容が切れて読めなくなっていては意味がありません。件名の長さはおおよそ20文字程度までとし、重要なキーワードは先頭に持ってきた方が良いでしょう。

また、同じ相手と何度も返信でやり取りをしていると件名に「RE:」がいくつも付与されていることがあります。これでは本来の件名が分からなくなり、相手に対して失礼にあたることもありますので、要件が変わった場合などはTOやCCが変わらなくても件名を新しくするなど工夫をしましょう。

メールの定型フォーマットに沿って書く

メールは内容がどんなものであっても基本となるパーツや構成は同じです。構成は「宛先」、「挨拶/書き出し」、「名乗り」、「本文」、「結び」、「署名」の流れになります。特に挨拶/書き出し部分にあたる、「いつもお世話になっております。株式会社○○の○○です。」の文言はどのメールにも必ず記載する内容なので、署名と同様にパソコンの予測変換などに設定しておくと楽でしょう。

どのように表示されるか意識して書く

先に挙げたように、1日に大量のメールを読む社会人にとって、メールは端的で読みやすいものがベストです。相手が読みやすいメール作成を心がけましょう。

まず、メール文章の横幅です。こちらも受信者の環境によって異なりますが、おおよそ35文字程度の長さで改行を入れるようにします。そして空白行をうまく活用します。「構成パーツの間」や「起承転結の節目」など適度に入れることで見やすいメールになります。

最後に注意点としては、機種依存文字は極力使わないことです。機種依存文字とは、その名の通りパソコンの機種や設定に依存して表示される文字で、対応していない環境で閲覧した場合、文字化けしてしまうことがあります。

相手の立場に立つコミュニケーションが大切

相手を思いやるビジネスマン

ここまでビジネスメールの書き方や、マナーについて紹介してきましたが、忘れてはならないポイントは、メールは人と人とのコミュニケーションツールであるということです。もちろん最低限覚えておくべきマナーはありますが、ただ暗記したことを実行しているだけでは、いろんなシチュエーションに対応できなかったり、機械的な印象になってしまいがちです。

最も大切なことは、相手の立場に立ったコミュニケーションです。相手のことを想い、誠実な対応を心がけることで自ずとビジネスメールのマナーも抑えられてきますし、メールに限らず、様々な場面で求められるスキルと言えるでしょう。

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