RPAのメリット・デメリットとは?導入を成功させるポイントを紹介

2019年12月5日

RPA導入の成功によって業務改善されたイメージ

昨今、RPAには大きな注目が集まっており、RPAを導入すると業務が自動化され、効率化やコスト削減などさまざまなメリットを享受できると話題になっています。 では、RPA化には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。また、RPAには成功事例だけでなく、失敗事例も存在しています。 メリットが多くある一方、RPAに潜むデメリットには何があるのでしょうか。 今回は、IT担当者だけでなく現場担当者にも知っていただきたいRPAのメリット・デメリットを解説して、導入を成功させるうえでポイントとなるデメリットへの対策についてもご紹介します。

RPA導入のメリット

まず、RPAの導入でどのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。

業務効率化

RPAを導入し、業務を自動化するとロボットが休日夜間に関係なく、コンスタントに作業を繰り返します。処理速度も人間と比べて格段に早く、ミスもないので、RPA導入前と比較して稼働時間の大幅短縮が可能です。

業務効率化の事例として、熊本県天草市が行ったRPAの実証実験をご紹介します。天草市では、健康診断関連の業務に年間200時間前後を費やしていました。RPA適用前後の稼働時間は、ご覧の通りです。

RPA適用前の稼働時間 年間140~244時間
RPA適用後の稼働時間 年間49.8時間
※稼働時間の内訳 RPAの稼働時間:年間18.3時間
職員の稼働時間:年間31.5時間
職員の稼働時間の削減率 77.5~87.1%

出典:
ジャパンシステム株式会社:https://www.japan-systems.co.jp/news/2019/190319.html

この事例からもRPAの導入によって、職員の多くの時間が削減できていることがわかります。

コスト削減

RPAが定型業務を自動化することで、従業員による稼働は軽減され、それまで業務で発生していた人件費を削減できます。 人間の場合、法定労働時間の人件費に加えて、時間外や休日出勤などの手当が必要ですが、ロボットは稼働時間に伴うコストの変動が一切ありません。 RPA化以前は人材配置に必要だった人事コストやアウトソーシング費用も全て不要です。

新潟県長岡市では2018年9月から11月にかけて、9つの課の36業務でRPAを試験導入しました。 検証の結果、合計2,028時間の削減や時間外勤務の減少が見込まれ、時間外手当の削減効果が期待されています。

出典:
総務省 『地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例』:http://www.soumu.go.jp/main_content/000595981.pdf

生産性向上

RPAを定型業務に導入すれば、単調なルーティンワークはすべてロボットに任せられます。 自動化で創出される余剰労働力をよりクリエイティブな業務に割り振ることが可能です。付加価値を生み出す非定形業務への取り組みも活発になり、新たな事業の創出機会も増えることが見込まれます。

作業の正確性

人間が手作業で行う場合、どれほど集中していてもヒューマンエラーがつきものです。 RPAなら記録されたシナリオを忠実に再現するため、作業の正確性が確保できます。ミスの削減は業務改善やサービスレベルの向上へとつながります。また、従来の手作業で発生したミスの修正にかかる時間的ロスや、ミスが原因の情報漏えい・コンプライアンス違反などのリスクの回避も可能です。

業務の見直し

RPAを導入する際、ロボットに自動化させる業務やフローの精査は欠かせません。この工程はRPAを適用する業務の選別を目的としていますが、業務の必要性を再確認したり、フローを見直したりするきっかけにもなります。

現場レベルでの設計・開発

複雑なプログラミング技術がなくてもロボットを開発できるRPAツールは、数多くリリースされています。 これらの製品は、ソフトウエアの画面上でロボットの設定やシナリオの記録を感覚的に行えるため、非IT部門主導で業務に則した自動化が可能です。

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RPA導入のデメリット

RPA導入デメリットのイメージ

RPAにはさまざまなメリットがあることが分かりましたが、デメリットも把握したうえで導入を検討すべきです。ここからは、RPA導入によるデメリットや企業リスクについて考えてみましょう。

ロボットを介した不正アクセスや情報漏えい

システムのログインを伴う業務に対してRPAを設定すると、ログインID・パスワードも記録されます。 ロボットに付与するIDやパスワードは、不正利用のリスクが伴うことを認識しておくべきです。 第三者によるアカウントの乗っ取りだけでなく、社内からのアクセス権限の不正利用も想定しておく必要があります。

これら以外にも、社内の複数の部署で1台のロボットを共有する場合は注意が必要です。 ロボットの使用者ごとのアクセス権限が適切に管理されない場合、ほかの部署のリソースへもアクセス可能になってしまう恐れがあります。最悪の場合、意図しない情報漏えいに繋がりかねません。

これらはRPAに限ったことではありませんが、RPAを導入することが目的になってしまっている場合など、セキュリティを含めた運用体制が疎かになってしまうことがありますので、注意が必要です。

業務そのもののブラックボックス化

担当者の異動・退職の際に自動化した業務が引き継ぎされないと、RPA化した作業や処理が不透明になりやすく、業務がブラックボックス化します。ブラックボックス化した業務は、プロセスの見直しやシステム更新時に適切な設定変更が行えません。これにより誤作動・異常停止による業務停止が起こる可能性があります。

また、ロボットをメンテナンスあるいは復旧させる際も、フローを把握する社員の不在によって修正対応が遅れる、といった負のループに陥りやすくなります。

RPAはロボットを作成したら終わりではないことを認識しておく必要があります。

野良ロボットの量産

野良ロボットとは、管理者不在のRPAロボットです。 RPAツールが野良化する原因は、テスト導入やPoCで作成されたロボットが役目を終えた後に放置されることや、ロボットの開発・運用ルールの整備が不十分で、現場でロボットが増殖することなどが挙げられます。

野良ロボットが処理する作業は誰も把握できず、データの上書きや野良ロボットを起点とした情報漏えい、何らかの原因で停止するまで処理を続けることによるシステムへの負荷などのリスクが考えられます。

どのロボットをいつ、だれが何のために作成したかきちんと管理することが大切です。

業務フローやシステム変更による誤作動

RPAは複数のシステム・アプリケーション間で連携しながら作業を行えますが、フローやシステムの変更点を自ら学習し、処理方法を修正することはできません。 特にシステム変更の場合は、現場とIT部門との連携が不十分だとロボットが誤作動を起こしたり、停止したりする可能性もあります。
関係するシステム、アプリケーションの更新情報は常に確認し、自社のRPAフローに影響を及ぼさないかを判断する必要があります。

ロボットの不具合や障害・災害による業務停止

業務が停止する主な原因には、ロボット自体の異常停止やシステム障害・災害・サイバー攻撃などによるシステムダウンが挙げられます。 これら以外にも、RPAが稼働中のパソコンでOSの更新プログラムやアプリケーションのバージョンアップを適用した後、パソコンが自動で再起動してRPAツールが停止するケースも考えられます。

他のシステムなどと同じように、予期せぬトラブルが起きた際のリカバリープランは作成しておきましょう。

RPAのデメリットへの対策

最後に、デメリットやリスクを最小限に抑えてRPAの導入を成功させるために必要な対策をまとめました。

対象業務とプロセスの文書化

RPAが自動化する業務のブラックボックス化を防ぐには、導入当初の担当者から次の担当者への引き継ぎが確実に行われるよう、RPA化された業務フローやRPAの運用方法などをマニュアル化(文書化)するべきです。また作成したマニュアルは、誰もが見られる場所に保存し、内容に変更があった際にはすぐに更新し、常に最新の状態にしておきましょう。

RPAツール選び

RPAで効果を上げるには、自社の規模や導入目的、必要な機能、予算などと照らし合わせて、最も適したRPAツールを選ぶことも重要です。 大きくは、中~大規模の企業ならサーバー・クラウド型のRPA、個人事業主や小規模企業ならRDA(パソコン単体にインストールするRPA)を選ぶと良いでしょう。

RPAの責任範囲の設定

RPAにおけるセキュリティ対策の一環として、ロボットの使用権限やID・パスワードの管理は厳重に行います。 特にロボットの使用権限は、業務に関わる社員に限定すべきです。 また、ロボットに付与するIDやパスワードは、社員と同様あるいはそれ以上のレベルで管理することが望ましいでしょう。

現場と情報システム部門との連携強化

RPAは自社のインフラ上で稼働します。そのため、運用体制やガバナンスの整備などの面で、現場と情報システム部門との連携は必須です。 システムの定期的なバックアップやロボット管理、障害・災害対策など、両者が情報共有やフィードバックし合う仕組みを構築する必要があります。

RPAのメリットを最大限発揮する導入支援ツール

RPA導入の最大のメリットは業務効率化ですが、対象業務の洗い出しや運用体制の整備など、導入前後の課題も多いのが実情です。特にRPA化する業務の選別や効果測定は、導入の成否を握る鍵とも言われています。
株式会社テンダは、RPA導入前後における課題解決をサポートするソリューションプラットフォーム「D-Analyzer(ディーアナライザー)」を提供しています。 D-Analyzerなら、操作ログの自動収集や業務フローの分析と可視化が自動ででき、導入前の業務の選定やフローの定義も効率化が可能です。 RPAのメリットを最大享受するためには、自社で課題を認識し、RPA化に際してどういったリスクが潜んでいるのか、知ることから始まります。 RPAの導入効果をさらに高めるためにも、D-Analyzerの活用をぜひご検討ください。

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