RPAで働き方改革を推進!RPAは業務効率化にどう活用できるのか

2019年12月16日

RPAによる働き方改革のタイトルイメージ

昨今、政府が主導する働き方改革によってRPAはより一層の関心を集めています。 業務効率化や生産性向上を図れるツールとしてRPAに着目する企業は年々増加していましたが、働き方改革の推進に伴い、日本固有の労働環境を改善する手段としても期待されるようになりました。そこで今回はRPAの効果や活用方法を、働き方改革を軸にして分かりやすく解説します。

RPAが働き方改革で注目される背景

働き方改革におけるRPAの活用方法について考える前に、なぜRPAがこれほどまでに脚光を浴びているのか、働き方改革を取り巻く社会的背景から探ってみたいと思います。

労働環境の変化

少子高齢化に伴い国内の労働供給力も年々不足しており、国内企業の人手不足は深刻です。 生産活動に従事できる生産年齢人口(15歳以上65歳未満)は、1997年のピーク時は8,699万人いましたが、2016年には7,655万人にまで減り、現在も減少傾向が続いています。

生産年齢人口には、働く意思・能力を有する「労働力人口」とそれ以外の人々も含まれています。そのため、純粋な労働力人口はこの数字よりさらに少なく、働く意思と能力を持つ人材一人あたりの生産性向上が今後の課題なのです。

出典:
首相官邸 『生産年齢人口等の推移』:http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/pdf/sankou_h290328.pdf

働き方改革関連法の施行

日本企業の労働環境を見直して「ワーク・ライフ・バランス」を実現するための取り組みとして、働き方改革が提唱されました。 2019年4月からは、労働時間法制の見直しなどが盛り込まれた「働き方改革関連法」が順次施行中です。 労働時間法制の見直し内容には、残業時間の罰則付き上限規制や、年5日以上の有給休暇取得義務、勤務時間インターバル制度などが含まれます。

これらの法的・努力義務は、いずれも労働者の働き過ぎを防ぐことを目的として新たに企業に課せられたものです。長時間労働をなくすためには、企業にとって業務の効率化は避けて通れません。

出典:
厚生労働省 『働き方改革~一億総活躍社会の実現に向けて~』:https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/content/contents/000268521.pdf

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RPAとは

RPAはロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で、これまで手作業で行ってきたパソコン操作を、ルールエンジンを搭載したロボット(ソフトウエア)が自動化する技術です。2010年代半ば頃から国内の金融・保険業界などが先駆けとしてRPAを導入して以来、その市場規模は急速に拡大しつつあります。

RPAの導入に意欲的な企業が増えた要因の一つが、今回のテーマである「働き方改革」です。 先ほどご紹介したように、減少し続ける労働力人口一人あたりの生産性向上や残業時間の規制などを背景に、企業はより一層の業務効率化を図る必要性に迫られています。 このような社会的背景から新たな「働き手」として期待される、RPAの機能や特徴について見ていきましょう。

RPAの機能

RPAで自動化できるのは、人間が手動で行うほぼすべてのパソコンの操作です。業務フローを人間がRPAに記録して、ロボットは決められた手順・ルール・スケジュールに従って作業を行います。 一般的に「ロボット」もしくは「RPAロボット」と呼ばれているのは、ソフトウエアに記憶させた業務フローです。 RPAロボットの開発はプログラミングの専門知識や技術がなくても、画面上の操作で行えます。

自動化の対象となる業務は、単純作業やルーティンワーク、大量のデータ処理、文書作成など多岐に渡ります。RPA化に適してさえいれば、バックオフィスのさまざまなパソコン操作をロボットに置き換えることが可能です。 また、OCR(光学的文字認識)を連携させて紙ベースの書類や帳票を電子化して、RPAがシステム・アプリケーションへのデータ登録や指定フォーマットでの文書化を行うなど、自動化できる業務の幅も広がりつつあります。

RPAの特長

RPAを導入することで、人間がこれまで手動で行っていた業務をロボットが代行してくれます。人間が働く場合、法定労働時間は1日8時間・週に5日と定められていますが、ロボットには休憩や休日は不要で、24時間365日稼働可能です。また、ロボットの処理スピードは人間と比べ物にならないほど早く、正しい手順やルールを覚えさえすれば、ミスのない高速処理で業務をこなし、自動化した業務の稼働時間の大幅削減が実現します。

これまで社員が手作業で行っていた仕事をRPAに置き換えることで、業務のスピードアップと効率化、そして業務の品質向上が見込めることから、RPAの導入に前向きな企業や自治体は今後も増えると予想されています。

働き方改革でRPAに期待される効果と活用方法

RPAの活用シーンのイメージ

日本企業が直面する課題をRPAはどのように解決して、働き方改革の推進を支援してくれるのでしょうか。ここからは、RPA化の効果や働き方改革への活かし方について考えてみましょう。

本来の業務への集中

日本企業に多く見られるのが、スペシャリストであっても専門的な業務だけに専念できるわけではないという点です。 本来の業務に付随する事務作業もこなさなければならず、業務負担の増加や勤務の長時間化につながっていました。RPA化で事務処理などの業務を自動化すれば、社員は本来の業務に専念することができ、パフォーマンスの向上にもつながります。

労働力の補給手段

日本の労働人口は減少の一途を辿っており、RPAは人間でなくてもできる業務を担ってくれる新たな「労働力」として期待されています。かつては新たな人材の雇用が人手不足を解消する手段でした。 RPAなら人間が行っていた業務をロボットに任せることができ、該当の業務に関しては新たな人材確保の必要がなくなります。

一度RPAに手順・ルールを記録すれば、決められたスケジュールで自動的に作業を行うため、人間のように教育・育成する手間もコストもかかりません。また、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などのアウトソーシングに頼っていた業務も、自動化によって自社で完結することが可能です。

業務やサービスの質の向上

労働時間法制の見直しによって、働き過ぎをなくす動きが多くの企業で見られるようになりました。 ところが、長時間労働を減らしつつ、働き方改革の本来のねらいである生産性向上を実現させようとする取り組みは、矛盾を孕んでいるとも考えられます。
単純に「早く帰れ」と残業時間に規制を設けるだけでは、表面上労働時間が削減できたとしても、ダイレクトに生産性が落ち、本来の働き方改革の姿とは言えないでしょう。

そこでRPAを活用すれば、ロボットによる正確かつスピーディーな業務の遂行によって業務にかかる時間を削減でき、同時に生産性や業務品質を向上させることができます。 RPAは、労働時間の適正化と生産性向上の両立が可能な解決策なのです。

RPA導入による働き方改革の実現は業務の洗い出しから

今回はRPAの機能や特徴をご紹介しながら、働き方改革への有効性について解説しました。 RPAは日本企業が抱える悩みや課題を解決する便利なツールですが、決して万能ではありません。そして、RPAの導入後も自動化に適さない業務は当然ながら残ります。人間でなくてもできる業務・人間にしかできない業務を切り分けて人とRPAとで分担することが、RPAを切り口とした働き方改革のポイントと言えます。

人間とRPAが協働する上で欠かせないのが、RPAに任せる業務の洗い出しです。 RPAで業務を自動化したくても、作業ログの収集やRPAに記憶させる業務フローのマニュアル化は手作業で行わざるを得ません。

RPAの導入フェーズで必ず発生するこれらの工程を効率化するのが、株式会社テンダが提供するRPA導入支援ツールの「D-Analyzer(ディーアナライザー)」です。 D-Analyzerには業務フローやログの自動抽出機能が搭載されており、プラットフォーム上で一括管理・分析できます。まずは自社の課題を正確に把握するところから始まります。洗い出しや可視化を行ったうえで、そもそもRPA化が適していないかもしれません。 RPA導入前後の課題をD-Analyzerで解決して、貴社の働き方改革を進める手がかりにしてみてはいかがでしょうか。 D-Analyzerには無料で試すことができる体験版もあるので、まずはどのようなことができるのか触ってみるのも良いでしょう。

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